『スモールワールズ』 一穂ミチ著
先々週の『あの本、読みました?』に
一穂ミチさんが出演されていた。
『スモールワールズ』は
2021年4月22日の発売前から
書店員さんたちの熱い応援があった作品で
第43回吉川英治文学新人賞を受賞。
第165回直木賞、第12回山田風太郎賞では候補となり
第19回本屋大賞では第3位。
そして、第9回高校生直木賞を受賞している。
夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人
ーー書下ろし掌編を加えた、
七つの「小さな世界」。
生きてゆくなかで抱える小さな喜び、
もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、
読む者の心の揺らぎにも静かに寄り添ってゆく。
(引用:講談社『スモールワールズ』・文庫裏表紙)
七つの物語は
心の奥の小さな扉から
そっと歩み寄ってくれて
寄り添ってくれる感じがした。
人はそれぞれに小さな世界を持っていて
それはかけがえのない大切なもの。
誰にもわかってもらえないかもしれない…
でも、たった一人でも
小さな世界を共有できたら
それは外の世界へと羽ばたき始めるはず…
そんな希望が持てて
しみじみと、じわじわと、心に沁みる一冊だった。
(画像出典:北原明日香・公式Instagram)
表紙には北原明日香さんのウッドブロック作品。
やわらかくて優しくて。
でも、ブロックなので影もあって…
それが作品の世界観に合っていて
とても素敵だ。
実は私、『スモールワールズ』も”積読”だった。
文庫初版本で購入したのが約1年前。
限定の「しおり」もしっかりゲットしていたのに…
この特典しおりもやっぱり
北原明日香さんの作品。
文庫本には2種類のしおりのうち
どちらかひとつということで
私の文庫本にはこちら↑のしおりが入っていた。
(画像出典:北原明日香・公式Instagram)
スモールワールズの単行本は6篇の短篇だが
文庫本には
「スモールパークス(あとがきにかえて)」という掌編も。
さらに、YouTubeには刊行記念として
本編未収録の特別掌編「回転晩餐会」が公開されいている。
声優・櫻井孝宏さんの朗読。
活字とは一味違ってまたいい。